意欲的な大学1年生のための教科書リスト【線形代数】

ほとんどの大学の理系一年生の必修科目である線形代数の教科書を紹介します。

線形代数の重要性はまた他の記事で書かせていただくとして、今回は線形代数を今後応用していく上で盤石な基礎を固められる教科書3つ紹介します。

 

※ここで紹介するものは、「単位が取れればいい」や「今後線形代数を使う分野には進まない」という人にはまったくおすすめできないものですので注意してください。また、大学数学の線形代数という科目において、教養学部レベルの内容が占める割合は(いろいろ考え方はありますが)1/3程度です。ここではより高度な線形代数の教科書は紹介しません。

 

南 和彦『線形代数講義』

shokabo.co.jp

この教科書は2020年1月発行のとても新しい教科書です。物理や工学に向かう視点で書かれており、初学者にも読みやすいです。また、少し高度なトピックにも付録で触れています。例えば、応用上非常に重要なPerron-Frobeniusの定理について証明までしっかりと書かれているので、次年度以降も度々参照する機会があると思います。

 

斎藤 毅『線形代数の世界』

www.utp.or.jp

この教科書は東京大学理学部数学科の2年Aセメスター必修科目「代数と幾何」の教科書です。抽象代数の視点から線形代数を明解に説明しています。最初の1冊としては挫折する可能性が高いのでおすすめできませんが、必ず読むべき本だと思います。この本を読めば、教養の線形代数は「行列算数」かの如く簡単に感じられることでしょう。

 

Gilbert Strang, 「Introduction to Linear Algebra」

math.mit.edu

洋書ですが初学者にも分かりやすいようにとても丁寧に書かれています。(基本的に洋書の方が説明が丁寧で分かりやすい印象があります。)インターネット上でPDFを無料で入手できたはずです。内容は標準的ですので、何か特徴があるというわけではありませんが、信頼できる本です。

 

以上、皆さんの参考となれば幸いです。